「自転しながら公転する」山本文緒著作 30歳代のリアルな恋愛を読む。
これが、リアルかと言われると60歳前のわてには
本当のリアルって何?。というくらい現代社会は多様性があるように
見えながらも本当のところは、単純的な問題を皆抱えていると思っている。
親との関係、低賃金(収入)、将来不安、少子高齢化の中で子供を生み育てる選択
の是非
地方と都会の格差 コミニュケーションの過不足、恋愛選択肢の少なさ
で、何気なく手にした恋愛小説だったんだが
読みすすめるテンポの良い場面展開と自分の身に共通していた共感出来る心情
が、ぐいぐいと最後まで読み進めた。
自転しながら公転する |
で
わて的な覚書
1,山本文緒さんは、同い年。同年輩の人が、30歳代の心情を読み、匠に
表現する力そして、巧みさ、リズム感ある場面展開は、流石だと思ったし
文章で食べる力は、わてには無いなぁ。と無力感も少し味わった。
(それでも、小説を書きたいな。と久しぶりに思った。)
2,貫一(主人公の交際相手)的生活を少しは経験しているのでなんとなく
彼の心情もわかり、ちょっと苦い思い出とともに読んだ。
3,都(主人公)の同輩や後輩のアドバイスや意見も「そうだなぁ。」とか、その潔さは
若い世代に通してあるものだろうか。とも思った。
(潔さというか、客観的というか、勢いのない静かなそれでも
自分を見据えて生きている感)
4,エピローブとプロローブは、余分な感がした。
まっ。これは連載後の単発的な読み切りとして追加した章だし
ちょっと読者を迷わせ、話に引き込むというトラップ(罠)(よくある小説のテクニック)
本章(連載時の)だけで十二分に物語に引き込まれると思う。
5,「明日死んでも百年生きても、触れたいのは彼だけだった」は都(主人公)の
思いだけど、わても似たようなことを嫁に言ったことがある。
「俺は、ひとりでも生きていけるけど、誰かと一緒に生きてくなら、XX(嫁の名前)
と生きていきたいわ。」
(いや、とちょっと違うかな。(笑 )
6,表紙の写真と題「自転しながら公転する」がいいわ。凄くいい。
まっ。人生は、長い。短いようで、長い。特に今は100歳まで生きる可能性も
ある。(惚けるかは、どうかはわからんけど)
そして、現時点が闇だったり、底だったり、迷路だったり、崖の宙に吊られている
状況だったりとしても先は長いし、変化する要因は数しれずある。
結局、今を見据えて目の前の物事に真摯に対応し暗闇の中を手探りで進むしかない
隣に時々、触れる人がいれば尚いい。(隣の人さえ見えない闇だから)
60前のオヤジが、30歳代の女の子の心情なんて、理解できる程
30歳代の女の子なんて知り合いいないしね。(笑
久方ぶりの恋愛小説だったけど、一挙に読め、心地よかった。
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